マネジメントゲームの内容

 マネジメントゲームは、各プレイヤーがインターネット上のサイト(当サイト)に企業経営に関わる数値等を入力し、その結果を閲覧し、次期に備えて計画を練る…という行為を繰り返すシミュレーションゲームです。各プレイヤーが経営する企業は株価ランキングによって序列が決められます。最終期を終えて株価ランキングで1位になっていた会社が優勝ということになります。

 各プレイヤーはある業界(市場)に参入しているメーカー企業の経営者です。この企業は小さいながらも株式の上場を果たしており、多くの株主がいます。企業には開発部門、生産部門、販売部門があり、それぞれに数名ずつの従業員が所属しています。扱っている製品はひとつですが、開発部門において製品の改良をしなければ販売価格が下がっていきますし、生産部門の生産性を上げなければコストを下げていくことができません。そして販売部門を強化しなければ販売個数を増やすことができません。
 ゲームのスタート時に、各企業は1棟の工場を所有していますが、市場は成長していくことが予想されるので、それにあわせて工場の建設も計画しなければなりません。自社の資金だけで不足する場合には銀行からの融資を受けることができますが、その一方で、負債比率が高まり、企業の財務体質が悪化するおそれがあります。そのことが企業の株価を押し下げる要因にもなりかねません。利益が出ているときには株主に配当を出すことも大切になってきます。このように、毎期の売上が次期の運転資金になりますが、その資金をどこにどのように配分するかが明暗を分けることになります。

 このマネジメントゲームの特徴は資金の配分だけではありません。従業員をどのように管理するのかが各部門のパフォーマンスに大きな影響を与えます。新規採用をしてより多くの従業員を雇用することで、当然各部門のパフォーマンスが向上しますが、その分、人件費が増えることにもなります。また、従業員には固有の能力が設定されていますが、それを研修によって向上させることもできます。けれども、いかに能力を高めても、モティベーションが低ければパフォーマンスには繋がりません。モティベーションが高まるように各従業員の給与を決めることも重要になってきます。さらに、給与額によって従業員間で不公平感があると企業の雰囲気が悪くなりますし、また部門間で風通しが悪ければやはり企業の雰囲気が悪くなります。部門間の人事異動もある程度は必要です。各部門のパフォーマンスを高めるために、プレイヤーはこういった従業員の管理にも目を配らねばなりません。
 既存の市場での企業間のパワーバランスが固定化してくると、努力してもそれ以上はランキングを上げることは難しくなってきます。そこで、このゲームでは新市場への参入というオプションも用意しています。新興市場であるこれらは需要予測が不安定ではありますが、大きな成長が望める市場なので、より大きな利益を獲得できる可能性もあります。ここで経営者たちは限られた経営資源の配分に再び頭を悩ますことになるでしょう。

 プレイヤーは、各期が終了すると自社の業績と業界ランキングを確認することができますが、同時に他社の損益計算書や貸借対照表といった会計情報のほか、業績についての数値情報も入手することができます。プレイヤーはこれらの情報を用いて次期の戦略を立てることを常に求められるのです。

 冒頭にも述べたように、マネジメントゲームの序列は株価ランキングによって決定されます。各期の売上や利益は非常に重要ですが、企業の価値を決めるのは最終的には株式市場である、ということになっています。その意味では、他社と比べて大きな利益を上げていたとしても、資本金を有効に活用できていなかったり、有利子負債が多すぎたり、衰退していく既存市場に固執していると株価が下がっていくおそれがあるのです。人件費が大きすぎる会社も要注意です。こうして、プレイヤーたちは従業員ではなく、経営者の立場から物事を考える姿勢を身につけていきます。

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